飄々とした天才、スネオヘアー

タイトルを見て、ふざけてんのかと思った人は多いかもしれません(笑)。でも、本当に、そのミュージシャンの名はスネオヘアーというのです。

静岡県出身の渡辺健二という男性が、1997年にスタートさせた音楽活動の名義が、このスネオヘアーです。名前の由来は、ある日の風呂上がりに鏡の前に立った時、自分の髪型がスネオのようだったから…だそうです。この時点で一筋縄ではいかないというか、風変りな人物であろうという印象を受けます。

その彼が身上とするのは、日常生活のなかでふと感じるもの悲しさや切なさを切り取ったギターポップ。ひねくれた歌詞やメロディを用いつつも、あくまで等身大で綴られた、体にすっと染み込んでいくかのようなサウンドが魅力です。聴きやすさとともに、一筋縄ではいかない「何か」を感じさせます。

1998年にインディーズでデビュー、2002年にはメジャーデビューを果たします。派手な売れ方はしていないかもしれませんが、これまでに9枚のアルバムをリリースしており、ファンベースはしっかりとしています。アニメやドラマほか、TV番組とのタイアップも、いつのまにかサラリと決まっていたりと、先行きが読めない存在です。ほかにもYUKI(元JUDY AND MARY)や新垣結衣ほかに楽曲提供もしています。特に2003年にYUKIに提供した「コミュニケーション」は、彼女のアルバム『Commune』に収録されてヒットを記録。スネオヘアーも自身のミニアルバム『東京ビバーク』でセルフカバーを披露しています。

ミュージシャンとしてだけでなく、メジャーデビュー直後から、ときおりドラマにも出演。2010年には『アブラクサスの祭』で、終演を果たすだけでなく、テーマ曲も担当しています。ちなみに、この映画で、スネオヘアーの演じる主人公の妻役として共演したともさかりえと、2011年に結婚しています。お互いに再婚だそうです。

楽曲では憂いのある響きやメロディを主体に、特に疾走し、時にオーケストラも導入する等、いくつもの表情を見せつつ、トークや演技となると、なにを考えているのかわからない、飄々とした立ち居振る舞いで困惑させるスネオヘアー。派手さはなくとも、アーティスト気質というか、天才とはこういった人のことを言うのかな…と思います。