バックハウス / ベートーヴェン:ピアノソナタ全集

ヴィルヘルム・バックハウスというピアニストが演奏した、
ベートーヴェンのピアノソナタ全曲の録音です。
バックハウスはベートーヴェンのピアノソナタ全集を2回録音していますが、これは2回目の録音で、ステレオ録音である事が特徴です。
バックハウスというピアニストは、ベートーヴェン直系の弟子にあたります。
そして、バックハウスのレパートリーの中心がベートヴェンで、また西洋の音楽教師の多くがベートーヴェンのソナタの手本としたのが、バックハウスの演奏でした。
クラシック音楽には様々な作曲の形式がありますが、どれも今のポピュラー音楽に比べると複雑な構造をしていて、また演奏時間も長いものが多いです。
そうした色々な形式があるクラシック音楽の中で、もっとも完成された形式と言われるのがソナタ形式であり、ソナタ形式を代表する作曲作品が、ベートーヴェンのソナタです。
ソナタはふたつの主題と呼ばれるものを様々に変奏し、途中で展開しながら大きな構造を作っていく音楽です。
バックハウスの演奏は華麗に聴かせる演奏ではなく、曲の構造をしっかりと捉えた演奏で、ベートーヴェンのソナタがどのような構造になっているのかを大変に分かりやすい形で提示しているように思えました。
ベートーヴェンのピアノソナタは全部で32曲ありますが、このCDを聴いて特に感動したのが、8番の「悲愴」と、14番の「月光」、15番の「田園」でした。
他にも有名な曲がたくさん入っていて、「ああ、これもベートーヴェンのソナタだったのか」と驚かされました。