METALLICA『RIDE THE LIGHTNING』

「天下を取ったバンド」という言われ方を、ときどき見ることがあります。その称号にふさわしく、かつ現在も現役で活動し続けるバンドのひとつとして、METALLICAのことは異論がないでしょう。

1981年に結成されたMETALLICA。91年の『METALLICA』は、全世界で1000万枚以上の売り上げを記録しており、バンドとしてのこれまでの作品の総売り上げは1億枚超。まさにモンスター・バンドであり、ヘヴィメタルを代表する存在と言えるでしょう。一般にはこの『METALLICA』や、1986年の『MASTER OF PUPPETS』こそが代表作として知られています。が、個人的に最も気に入っているのが、1984年の『RIDE THE LIGHTNING』です。

METALLICAは、いわゆる「スラッシュメタル」のオリジネイターのひとつとして認知されています。70年代後半から80年代初頭にかけて、イギリスで盛り上がったヘヴィメタルをさらに過激に進化させたスタイルです。この『RIDE THE LIGHTNING』はバンドにとって2枚目の作品にあたり、スラッシュメタルの完成形のひとつだと断言できます。1981年のデビュー作『KILL EM ALL』も悪くはありませんが、音質もいまひとつだし、勢い任せのしっちゃかめっちゃかな印象も。もちろん「そこがいい!」という意見があるのもわかります。しかし、その『KILL EM ALL』の勢いを残しつつも、より細部まで練り込まれた楽曲構成が、『RIDE THE LIGHTNING』魅力です。若き日のMETALLICAのがむしゃらなエネルギーと、ミュージシャンとしてのたしかな成長を感じられるのです。

このアルバムは、静かで明るく、美しいアコースティック・ギターの音で幕を開け「CDを間違えたかな?」と思ったところに、凶暴なギターリフが襲いかかって来る、「Fight Fire With Fire」で幕を開けます。このほかにも、のしのしとすり足で迫りくるような「For Whom The Bell Tolls」、ライブでは、観客から「Die! Die!」と物騒な合唱が鳴り響く、屈指の疾走曲「Creeping Death」と、現在もMETALLICAのライブでは欠かせない曲が、多く収録されています。正直、この作品に比べると、世間的な名盤『MASTER OF PUPPETS』はからは、小難しい印象を受けてしまいます。激しく、荘厳でパワフルなMETALLICAを知りたいという方には、ぜひオススメしたい作品です。